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[エッセイ]じゅりの成長物語「朗読劇ジュリ」鑑賞

いつも『辻街だより』をご愛読いただきありがとうございます。
今日は少し趣向を変えて、個人的な事柄を交えつつ綴ります。
なので、タイトルに[エッセイ]と付けてみました。

5年振りの開催となります、来年3月17日開催予定の「じゅり馬まつり」に向けて奔走しております辻新思会(つじしんしかい)の美加です。
2023年12月14日(木)晴れ。夕方5時過ぎ。那覇の気温は23℃。日中の最高気温は26.4℃。湿度は80%近く、湿り気を帯びた空気が肌にまとわりつきます。単衣の着物を付けるつもりが、暑さに負けて紗の着物に袖を通しました。12月でも夏物をつけたくなるのが、南の島なのです。

沖縄の料亭の裏座

沖縄県下最大の花街でした辻(つじ)。
時代の変遷とともに、料亭が立ち並ぶようすは一変。
現在、辻に現存する料亭は、「料亭那覇」だけです。
その裏座で、来年のじゅり馬まつりについて上江洲安明理事長、石田律子業務執行理事と3名で打合せをしました。
来年のじゅり馬まつりは、歴史ある「地域の伝統行事」として、地域のみなさまと一緒に作り上げることを目指して動いています。
初めてのことばかりですが、とても良い感じに準備が進んでいます。

こちらの裏座はちょうど楽屋への通り道。
打合せをしていると、艶やかな琉装姿の踊り子さんたちが行き交います。
そう、ここは那覇で唯一現存する老舗の料亭ですから。

礼儀正しく、いつも笑顔で挨拶してくださる彼女たち。
不意に、いにしえの辻の残り香を感じてしまいます。
なぜなら、かつての花街・辻は、礼儀作法を重んじた文化と社交の街だったからです。

 

じゅりの成長物語「朗読劇ジュリ」鑑賞 

打合せの後、三人で那覇市内の国際通り中程に位置する「テンブス(那覇市ぶんかテンブス館)」へ向かいました。
目的は、幾度かご紹介いたしました、花街・辻で生きる女性”じゅり”の成長物語「朗読劇ジュリ」の鑑賞です。
公演会場は4階のテンブスホール。約250名収容のホールはチケット完売の満席でした。
入口にもっとも近い最前列の端に座っていたのではっきりとはわかりませんが、観客は老若男女幅広く、女性が多いように感じました。

約1時間の上演時間はご高齢者にはやさしく、内容は濃く、たいへん興味深く鑑賞させていただきました。
“義理・人情・報恩”に生きたじゅりたちに敬意を表しつつ、花街・辻のようすをていねいに表現しようと試みられていることがよく伝わり、たくさんの方にご覧いただきたい。と思える素晴らしい朗読劇でした。

「ぜひ内地でも上演して、たくさんの方に観てもらいたい」と若狭一丁目自治会長・岸本麗子様も大絶賛されていました。

この物語は3部構成になっており、今回は第1部です。続きが待ち遠しい。
その前に、岸本会長がおっしゃるように、第1部「ジュリ 〜 初髪結い(ハチカラジユイ)」をあまくまで上演していただきたいものです。

 

辻と若狭、地域の集まりに参加させていただいています

若狭一丁目自治会の岸本会長にお声掛けいただき、公演の前日12月13日(水)は若狭公民館で開催された「若狭小学校区まちづくり協議会」の勉強会(14時~16時)に初めて参加させていただきました。
まちづくり協議会とは、ひとつの自治会だけでなく、小学校区まで地域を広げて、旗頭や各種団体も交えて、地域全体としてより良いまちづくりを目指す集まりだそうです。

勉強会は、むかしの若狭地域のことや初めて知ることも多く、有意義な時間でした。
偶然、社会体験学習で来館していた地元の中学校一年生5名と引率先生もご同席。中1の子どもたちは、大人たちの話に一所懸命耳を傾けていました。
たまたまなのかもしれませんが、彼らは「トートーメー」もわからず、沖縄のことばは母音「あいうえお」が「あいういう」に変化して表現するということを知らない。というのがちょっと驚きでした。
社会情勢、生活スタイルもすっかり変わりましたから、歴史・伝統文化は、これまで以上に意識して子どもたちに届けなければならないのかもしれませんね。

そうそう。若狭は「子どもたちにわかるカタチ、見えるカタチに」と地域の歴史がわかる案内板を設置したり、まち歩きを実施したりと本当によくがんばっておられます。さすがです。

 
勉強会の後の親睦会にて、初めてお会いした方がたまたま当サイトをご存知で、「あの辻新思会のサイト、よくできていますね。新思会がどういうものかよくわかりました。誰がつくったの?」と尋ねられたので、「私です」とお答えすると、「とても読みやすくていいですよ。次が楽しみです」とお褒めいただきました。ありがとうございます。とても嬉しくて、今日は[エッセイ]風にして綴ってみました。私・安積美加の本職は、ライター(取材・撮影・執筆)と司会、サイト制作などです。よろしくお願いいたします。

長きに渡るコロナ禍もすっかり息を潜め、各地でイベントが再開。おかげで、辻自治会の「秋祭り」のお手伝い、辻旗頭の納会、若狭小学校区まちづくり協議会の勉強会等々、いろいろと地域のみなさまと交流させていただいております。
てっきり私を辻のひと(あるいは宮古人)と思われている方も多いのですが、住まいは赤嶺です。

ご縁とは不思議ですね。
縁あって辻新思会の一員となって、辻の祭祀、歴史・伝統文化の保存継承に励んでいるうちに、いろんな方と知り合い、奇跡的な出会いご縁をちょうだいしております。
良きご縁をくださった皆様、こころより感謝御礼申し上げます。いっぺーにふぇーでーびる。

今後ともゆたさるぐとぅうにげーさびら。

うまんちゅぬ あちゃー かふー うにげーそーいびーん。
みなさまに琉球弧のすべての神々のご加護がありますように。